診療体制

脳神経外科センター

常に安定した診療体制を維持しています。

当院の脳神経外科は、昭和42年(1967)年に久留米大学医学部脳神経外科講座からの派遣医師によって北九州市内でも逸早く本格的な脳神経外科として開設されました。
以降も、約57年間にわたり延べ128名の脳神経外科専門医師が継続して派遣されており、常に安定した診療体制を維持しています。
北九州市近郊はもとより県内外からも多くの患者さんを積極的に受け入れ、入院症例数および手術件数ともに市内有数の施設として地域の脳神経外科診療の一翼を担っています。
2021年の延べ入院患者数は1,231名、手術件数は394件でした。
令和6年4月現在で、常勤医師4名と非常勤医師1名で一般外来、救急外来、入院診療や手術などの業務にあたっています。
現在、院内常勤の脳血管内治療専門医は不在ですが、近隣施設の先生方や久留米大学病院からの派遣専門医師と共同で積極的に治療をすすめています。

主な対象疾患

脳腫瘍

最近の聴神経腫瘍手術例の顔面神経温存率は良好であり、MRI等で検出された小さな聴神経腫瘍に関しては聴力の温存率を心がけています。髄膜種などの良性腫瘍に関しては、積極的に摘出を行い、大型の腫瘍でも良好な成績をあげています。神経膠腫や転移性能腫瘍などの悪性腫瘍に関しては、最新のナビゲーションシステムを駆使した手術により最小限の範囲内で切除しています。また、必要に応じ麻酔覚醒化の手術で腫瘍をとり出しています。その後は放射線治療装置を有する近隣病院と連携を取り、サイバーナイフを含む放射線治療と化学療法が可能です。

脳動静脈奇形

血管内治療を用い手術しています。

脳動脈瘤

くも膜下出血例は発症3日以内であれば3D-CTAで動脈瘤を確認し、可及的早期に同日中の緊急ネッククリッピング術を行っています。開頭手術が難しい部位の動脈は、年齢や動脈瘤の部位も考慮し、保存的治療、ネッククリッピング術、コイル塞栓術のいずれかを行う方針をとっています。

閉塞性脳血管障害

当院では、ほぼ全例脳神経外科に入院し治療しています。同日中にMRI、MRA、3D-CTA、場合によっては緊急DSA(デジタルサブストラクション血管造影)を行い、主幹動脈の閉塞や高度狭窄に対しては緊急血栓溶解療法(t-PA静脈療法、血管内手術)、慢性期に脳循環不全や頚動脈の塞栓源が証明されれば、脳血管吻合術や内膜剥離術または血管内手術によるステント留置術を行っています。

下垂体腫瘍

摘出の適応を画像検査で判断し、経蝶形骨洞的腫瘍摘出あるいは開頭術を行っています。術後は2週間程度の入院経過観察が必要です。

脳内出血

血腫が大きく意識障害が強い高血圧性脳内出血は、緊急開頭血腫除去術や脳室体外ドレナージを行っています。その他の症例は、血圧コントロールと点滴治療を行い、早期リハビリテーションを行っています。

顔面痙攣や三叉神経痛

積極的に微小血管減圧術を行いほぼ100%の治癒率です。10日程度の入院でしかも無剃毛のため患者さんに喜ばれています。

頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症

前方固定術や椎弓切除術、椎間孔開窓術も症例を増えつつあります。
また、脊髄腫瘍のとり出しも行っています。

特発性水頭症

画像検査による脳室拡大、歩行障害、尿失禁を有する症例に対しては腰椎穿刺で髄液を排出して一時的に症状改善が得られた場合は、特発性水頭症と診断し、積極的にシャント術を行っています。改善率は歩行障害が80-90%、尿失禁が60%、痴呆症状が40%です。

スタッフ紹介

【脳神経外科センター主任部長】 宮城 尚久
専門分野 脳神経外科全般
認定 日本脳神経外科学会専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
がん治療認定医

【脳神経外科センター部長】 吉富 宗健
専門分野 脳神経外科一般
認定 脳神経外科学会専門医
臨床神経生理学会専門医(脳波部門)
迷走神経刺激療法(VNS)実施認定医
日本てんかん学会てんかん専門医

【脳神経外科センター医長】 古田 啓一郎
専門分野 脳神経外科全般
認定 日本脳神経外科学会専門医

【脳神経外科センター医員】 昇 竜正
専門分野 脳神経外科全般
認定  

【脳神経外科センター担当医】 梶原 収功(カズノリ)
専門分野 脳神経外科全般、良性腫瘍、脳神経腫瘍
認定 日本脳神経外科学会 専門医

社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部
福岡県済生会八幡総合病院

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