令和6年度 福岡県済生会八幡総合病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 12 38 47 115 311 552 1339 1661 907
2024年度退院患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院時の満年齢で、90歳以上は1階級となっています。10件未満は「-」で表示しています。
当院は2024年12月21日に北九州市八幡東区から八幡西区に新築移転いたしました。高齢化率は全国平均29.3%(令和7年版高齢社会白書)ですが、八幡東区の高齢化率35.9%、八幡西区30.7%と大きく上回っています。このような地域環境の中、年齢階級別の退院患者数でみると60歳以上が89.5%と9割を占め、70歳以上が78.4%となっています。今後はさらに高齢化の傾向が続くと考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 18 30.06 11.35 11.11% 78.22
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-動脈形成術、吻合術 その他の動脈等-処置2:なし-副病:なし 17 12.41 7.38 5.88% 67.53
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-内シャント血栓除去術等-処置2:なし 13 20.231 3.82 23.08% 67.23
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:1あり 12 15.25 13.75 0.00% 68.58
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし 12 22.83 13.66 8.33% 76.33
※診療科別に診断群分類別(DPC分類)患者数の上位5位まで掲示し、患者数が10件未満のものは(-)ハイフンで表示しています。
※各診療科別に患者数の多いDPC14 桁分類について、DPCコード、名称、患者数、自院と全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を掲載しています。
※診断群分類とは:ICD国際疾病分類(傷病および死因の国際比較のために、世界保健機構(WHO)が制定している分類)で病名を、マンパワ-、手術、医薬品などの医療資源の必要度から統計学的に意味のある病名グループに整理し、分類したもの。

当院の腎臓内科は、慢性腎不全の治療における選択肢として、西日本で最初に開始した血液透析、在宅での治療が可能である腹膜透析(CAPD)、そして、血液濾過(HDF)という多くの腎代替療法を患者さんの年齢、病態や生活パターンにあわせて最適な治療方法を選べる体制となっています。また、腎不全医療に関する合併症に対して、多くの治療経験が蓄積されており、適切な療法選択を行っています。バスキュラーアクセストラブルに対する自家静脈・人工血管を用いたシャント再建、経皮的血管形成術(PTA)、内シャント瘤切除・再建などを血管外科および放射線科との協力体制で行っています。在院日数が全国平均より長いのは、患者さんの高齢化に起因しています。令和6年度の透析導入症例は20例です。
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 41 3.22 2.57 9.76% 67.98
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし 21 5.57 8.88 19.05% 84.19
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの)-その他の手術あり-処置2:なし 13 10.15 10.93 7.69% 78.38
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患-手術なし 10 5.60 7.60 0.00% 80.70
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 - - 7.45 - -
当院の消化器内科は、毎日のカンファレンスを通して外科との密な連携を心がけ、診療内容について協議しながら患者さんに適切な医療を速やかに提供できるように努めています。
消化管領域では消化管の悪性腫瘍(胃がん、大腸がん、食道がんなど)や大腸ポリープなどに対する診断や内視鏡治療(EMRやESDなど)を積極的に行っています。他にも逆流性食道炎、胃・十二指腸、ヘリコバクター・ピロリ胃炎、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患といった消化管疾患全般に対しる治療を行っています。
肝胆膵領域では急性疾患(急性肝炎、急性胆のう炎、急性胆管炎、急性膵炎)から慢性疾患(慢性肝炎、肝硬変、自己免疫性肝炎、慢性膵炎)、悪性疾患(胃がん、胆嚢がん、胆管がん、膵癌、肝臓がん)などに対して必要な検査や治療を外科及び放射線科と連携して行っています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-他の病院・診療所の病棟からの転院以外 38 22.13 17.33 10.53% 89.11
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし 19 3.90 3.07 5.26% 76.26
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし 18 6.22 4.18 5.56% 72.61
050130xx97000x 心不全-その他の手術あり-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし - - 21.55 - -
050130xx9910xx 心不全-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし - - 14.08 - -
当院の循環器内科は、虚血性疾患や心不全、不整脈などの心臓疾患、大動脈疾患、末梢血管疾患を専門に治療を行っています。検査は心臓超音波、経食道心臓超音波、運動負荷心電図、ホルダー心電図、冠動脈CT、心筋シンチグラフィ、心臓カテーテルなどを行っています。また、心臓リハビリテーションによる狭心症、心筋梗塞、難治性心不全に対する運動療法にも取り組んでいます。
超高齢化社会が急速に進行する中で、心不全を発症する患者は今後ますます増加すると予測されており、「心不全パンデミック」とも呼ばれる深刻な医療課題に直面しつつあります。虚血性心疾患に対するカテーテルインターベンション、徐脈性不整脈に対する恒久的ペースメーカー植込み、急性心不全に対する迅速な薬物治療など、急性期における的確な対応はもちろん、心不全患者の長期予後を改善するためには、退院後を見据えた慢性期の管理がきわめて重要です。食事療法や薬物療法の継続的な見直しに加え、身体機能の維持・向上を目指す心臓リハビリテーションなど多職種による緊密な連携をとっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし 48 12.92 8.88 4.17% 82.63
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-手術なし-処置2:6あり 32 5.50 4.64 0.00% 59.72
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 28 7.61 4.54 0.00% 72.50
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 27 10.22 9.08 0.00% 79.52
06007xxx9904xx 膵臓、脾臓の腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり 26 7.04 5.84 0.00% 75.81
当院の外科は、消化器外科を中心とした一般外科診療を行っています。消化器外科、内視鏡外科、肝胆膵外科それぞれに専門医が在籍しており、各疾患において専門性の高い診療を実施しています。
エビデンスに基づいた治療はもちろんですが、外科診療の高齢化にも対応し、一人一人の病態や社会的背景を考慮した医療を提供しています。外科の中心は「消化器領域の悪性新生物・良性疾患」と「救急」ですが、総合診療の分野も幅広く診療を行っています。悪性新生物は、結腸の悪性新生物、膵臓の悪性新生物、胃の悪性新生物、肝及び肝内胆管の悪性新生物、直腸の悪性新生物、食道の悪性新生物等が多く、救急の消化器系の疾患では、胆石症、腸閉塞、腸の憩室性疾患、胆のう炎、鼠径ヘルニア、虫垂炎などが多くなっています。高齢者、全身状態不良者等の症例が多く、治療方針を十分に検討し、安心・安全、低侵襲な手術、医療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等 112 30.93 25.29 65.18% 84.35
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-手術なし 81 24.59 19.16 64.20% 85.23
160980xx99x0xx 骨盤損傷-手術なし-処置2:なし 25 20.52 19.30 40.00% 85.44
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 24 33.92 21.38 25.00% 73.29
070510xx99xxxx 痛風、関節の障害(その他)-手術なし 12 14.00 12.02 33.33% 83.92
当院整形外科は、身体の痛みや不調を幅広く診療していますが、関節の専門治療として、膝、股関節、足、肩の関節の治療に力をいれています。膝の痛みや変形、股関節の問題、外反母趾、肩のけがなど様々な症状に対応しています。保存的治療、手術治療とリハビリテーションで、早期回復を目指します。骨折の治療として、高齢の患者さんの増加とともに、大腿骨近位部骨折など、骨粗鬆症に伴う脆弱性骨折が増えています。大腿骨骨折は全体で128例、椎体圧迫骨折は全体で132例でした。関節リウマチの専門治療として、当院では、リウマチの専門医が薬で痛みや炎症を和らげ、関節の健康を守ります。手術、リハビリテーションや日常生活のアドバイスも行い、患者さんの生活の質を向上させます。高齢の患者さんに対しては、周術期管理、骨粗鬆症治療やリハビリテーションの早期開始が重要であり、多職種連携アプローチが不可欠です。整形外科医、PT・OT、看護師、薬剤師、社会福祉士などによる多職種連携による包括的なケアを提供しています。全国平均より在院日数が長いのは、高齢の患者さんが多いのを反映しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞-手術なし-処置2:4あり-副病:なし 151 17.90 16.89 39.07% 75.67
010060xx99x20x 脳梗塞-手術なし-処置2:2あり-副病:なし 101 17.49 16.94 45.54% 78.22
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 54 22.32 18.68 61.11% 75.02
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷-その他の手術あり-処置2:なし-副病:なし 49 16.22 9.83 26.53% 81.22
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷-手術なし-処置2:なし-副病:なし 32 13.53 7.99 12.50% 80.88
当院の脳神経外科は、市内の中核病院として脳神経外科疾患全般を幅広く取り扱っており、一次・二次を問わず積極的に救急患者を受け入れています。令和6年度の退院患者は963名でした。
当院は、久留米大学医学部脳神経外科専門研修プログラム関連施設、日本脳卒中学会認定の一次脳卒中センター、日本脳神経外傷学会認定の研修施設です。令和6年より新たに脳血管内治療学会
専門医資格を持つ医師がスタックに加わり、より充実した脳卒中診療が行えるようになりました。疾患別では脳梗塞、脳出血が多く、頭蓋・頭蓋内損傷(外傷)、てんかん、水頭症、一過性脳虚血発作といった
救急疾患の患者さんを多く受け入れています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患-下肢静脈瘤手術等 87 2.03 2.66 0.00% 67.74
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 52 5.08 5.15 9.62% 79.06
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:あり 26 5.54 9.29 15.38% 77.92
050170xx02000x 閉塞性動脈疾患-動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 16 22.81 15.16 6.25% 71.13
050170xx02000x 閉塞性動脈疾患-動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 16 22.81 15.16 6.25% 71.13
当院の血管外科は、食生活を含めた生活様式の欧米化、高齢者人口の増加による動脈硬化を原因とした循環器系の急増する疾患に対応しています。最新のハイブリッド手術室を備え、カテーテル治療とバイパス手術を組み合わせた低侵襲の高い治療を提供します。全身性の動脈硬化疾患の早期発見と治療、包括的な管理にも着目し、他科との連携により迅速な治療の実現をめざしています。主な対象疾患は、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤、腹部大動脈瘤、透析シャントなどです。閉塞性動脈硬化症(ICDコード:I70)は全体で146件でした。閉塞性動脈硬化症は動脈硬化が原因で、脚の動脈が狭くなったり詰まったりした結果、痛みをきたす病気で、下肢の慢性的虚血疾患の90%以上を占めています。下肢静脈瘤は脚の静脈が「こぶ」になったもので、最も多い病気の一つです。美容的には問題はありますが、日常生活に不自由がなければ必ずしも外科治療の対象にはなりません。基本的には弾性ストッキングの着用による症状の軽減ですが、それで不十分な場合、手術治療の対象となります。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患-手術あり-片眼 75 2.21 2.49 4.00% 75.25
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患-手術あり-両眼 51 3.98 4.29 0.00% 75.67
020240xx97xxx0 硝子体疾患-手術あり-片眼 25 4.72 4.83 4.00% 73.64
020200xx9710xx 黄斑、後極変性-手術あり-処置1:あり-処置2:なし 19 4.53 5.47 0.00% 70.95
020160xx97xxx0 網膜剥離-手術あり-片眼 13 7.85 7.53 0.00% 62.46
当院の眼科は、眼科全般にわたって診療を行っており、地域の医療機関からの紹介患者さんが多くを占めています。総合病院の特色を活かした他科との連携した診断・治療に取り組んでいます。
主な対象疾患は、白内障、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などです。令和6年度の白内障は全体で143件入院治療を行っています。高齢者が多い状況です。
午前は通常外来を行っています。水曜日、木曜日、金曜日の午後は手術前検査、レーザー治療、外来小手術(霰粒腫切開など)、ステロイドテノン嚢下注射等の処置や、視野検査、眼球運動検査、蛍光眼
底造影検査等の特殊検査を予約制で行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患-経尿道的尿路結石除去術-副病:なし 37 8.68 5.16 8.11% 68.14
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり 30 5.13 2.45 0.00% 72.90
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置2:なし 23 8.39 6.81 0.00% 79.30
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等-経尿道的前立腺手術等 22 10.96 7.77 4.55% 75.00
110070xx03x20x 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置2:2あり-副病:なし 11 9.55 6.63 0.00% 82.27
当院の泌尿器科は、泌尿器科領域全般の疾患に幅広く対応しています。腎・膀胱・尿管・腎盂・尿道など尿路系全般と、前立腺・精巣・陰茎などの男性生殖器を対象として、排尿障害や結石、感染症、がん(悪性腫瘍)など幅広く泌尿器領域の診断・治療を行っています。主な対象疾患は、血尿、前立腺肥大症、前立腺がん、膀胱がん、腎盂がん、尿管がん、腎がん、精巣がん、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、腎結石、尿管結石、膀胱結石などです。悪性腫瘍(悪性新生物)いわゆる「がん」が年々増加しています。泌尿器科領域のがんでは、手術のみならず、抗がん剤による治療も積極的に行っています。
緩和ケア病棟、地域包括ケア病棟を有しており、患者さんにとっての最適な療養環境の提供を心がけています。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400800x99x0xx 肺炎等-手術なし-処置2:なし 155 19.62 18.16 21.62% 84.49
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎-手術なし-処置2:なし 129 21.06 20.78 21.26% 86.75
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)-手術なし-処置2:なし 107 21.49 16.40 16.29% 86.24
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし 93 19.54 13.66 24.54% 85.65
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎-処置2:なし 26 8.99 6.98 0.00% 78.68
当院の総合診療科は、高齢化社会への対応のため、特定臓器に偏ることのない包括的医療を行い、どの診療科に受診して良いかわからない場合などの窓口としての役割を担っています。さらに、循環器内科・呼吸器内科・膠原病内科・神経内科・肝臓内科・血液内科などの専門科と連携し、高齢者に対して充実した全人的医療を提供しています。地域の高齢化率を反映し、入院患者さんの年齢が高く、再入院を繰り返さないように嚥下訓練などを行うため、平均在院日数が、全国平均在院日数より長くなっています。救急の高齢者急性期疾患を積極的に受け入れており、疾患では、肺炎、誤嚥性肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎、脱水症などが多くなっています。COVID-19は275例受入れています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 12 - - 10 - 28 1 8
大腸癌 11 18 15 27 - 55 2 9
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※UICC病期分類:国際対がん連合(UICC)によって定められたTNM(がん病期の評価・分類)
 ①原発巣の大きさと進展度(T)、②所属リンパ節への転移状況(N)、③遠隔転移(M)の3つのカテゴリーにより各がんをⅠ期からⅣ期の病期(ステージ)に分類するものです。
※「5大がん」と呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者さんの数を、初発のUICC(国際対がん連合)病期別分類別でで初発および再発に分けて集計しています。
※「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。「再発」とは当院・他院を問わず、初回治療が完了した後、当院で患者さんを治療した場合や、局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
※対象期間中に複数回入院された患者さんは入退院を繰り返した回数を集計しています。
※患者数が10件未満のものは(ー)ハイフンで掲載しています。

当院では5大がんに対する手術、化学療法の集学的治療を積極的に行っているほか、食道がん、膵臓がん、胆のうがん、前立腺がん、膀胱がん、腎がん、腎盂がん、精巣がん、脳腫瘍、甲状腺がんなども集学的治療を行っています。また、緩和ケア病棟を有し、疼痛管理をはじめとした終末期の治療についても幅広くカバーし、ステージⅢ・Ⅳといった進行症例や再発症例も一人ひとりに適切な治療法を選択して、患者さんのQOL(生活の質)をあげ、最後まで心地よくすごしていただくことを目指しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 70 18.73 77.27
重症 23 18.13 81.04
超重症 - - -
不明 - - -
※成人市中肺炎とは通常の社会性立つを送っている中で発症した肺炎です。
※入院の契機となった傷病名と医療資源を最も投入した傷病名に対するICD-10コードが両方ともJ13 ~J18 で始まるものに限定しています。
※各重症度における患者数が10件未満の場合は、すべての項目に(ー)ハイフンで表示しています。

成人市中肺炎は病院外で日常生活していた人が発症する肺炎のことですが、介護施設等に入所している人が発症する肺炎は、「医慮・介護関連肺炎」と言われています。ICD-10コードJ13~J18肺炎で入院された患者さんは297名ですが、地域の高齢化を反映して、介護施設からの紹介入院が多く、集計から「医療・介護関連肺炎」は除いています。対象疾患は、インフルエンザ菌による肺炎、細菌性肺炎、気管支肺炎などで、普段の生活の中で発症して入院した患者さんについて、重症度別に分類しています。
急性期一般病棟と地域包括ケア病棟を活用して、患者さんにとって最適な療養環境の提供に心がけています。地域の医療機関、介護施設、在宅医と連携して、紹介や救急搬送を断らずに受け入れる体制を整えて、高齢者急性期医療に力をいれています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 302 20.76 77.05 38.20%
その他 20 21.35 73.35 2.80%
※脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。
※医療資源を最も投入した傷病のICD-10コードがI63$の症例を集計しています。
※転院率は退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、「転院患者数/全退院数」です。
集計期間のICD-10コードI63$は330件で、3日以内に発症した「急性期の脳梗塞」が92%と高い割合をを占めています。また、脳卒中地域連携クリニカルパス(治療計画書)を利用して地域の専門病院と連携しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 16 4.75 14.63 18.75% 70.63
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
※診療科別に上位5位までで、患者数が10件未満のものは(ー)ハイフンで掲載しています。
※入院中に複数の手術を行った場合は、主たる手術をカウントしています。
※手術は診療報酬点数の手術コード(Kコード)で集計しています。
※創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術などの軽微な手術は除外しています。

腎臓内科では、1970年より内シャント作製を開始し、自家静脈グラフト内シャント造設および再建術などのバスキュラーアクセス手術および経皮的血管拡(PTA)を施行しています。
手術症例は血液透析関連101例、腹膜透析関連2例、副甲状腺摘出術5例、シャントPTA133例などです。IgA腎症の根治療法として扁摘+ステロイドパルス療法も行っています。
消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 65 0.74 2.41 9.52% 69.71
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 21 0.33 10.43 23.81% 86.10
K654 内視鏡的消化管止血術 19 0.58 8.53 10.53% 80.79
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 10 0.90 5.20 0.00% 79.60
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 - - - - -
消化器内科では、大腸ポリープなどに対する内視鏡治療(EMRやESD)を積極的に行っています。
消化管のポリープやがん、胆管炎、止血術などに対する内視鏡治療が上位を占めました。内視鏡的胆道ステント留置術や内視鏡的消化管止血術など急性期の治療については、地域の高齢化を反映して
平均年齢が80歳を超えています。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 21 1.52 8.86 4.76% 75.14
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) - - - - -
K596 体外ペースメーキング術 - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
循環器内科では、令和7年1月より副院長の高津が赴任し、カテーテルを使用した様々な治療が可能となりました。外科的治療と比較して、身体への侵襲が少なく、短期の入院期間で治療可能です。
恒久的ペースメーカー植込み術、術後の心臓リハビリテーションも開始しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 60 2.43 13.72 6.67% 81.97
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 47 4.26 10.92 17.02% 72.32
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 25 1.72 6.84 0.00% 70.24
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 21 7.10 7.76 0.00% 71.19
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 15 4.80 18.33 13.33% 75.40
外科では、24時間365日、救急患者の受入れ体制を整えており、緊急手術に対応しています。令和6年12月21日の病院移転後は、前年比1.2倍となっています。
消化器外科を中心に、積極的な鏡視下手術(腹腔鏡、胸腔鏡を使用した手術)を導入し、より低侵襲な手術を行っています。病院移転後は、ロボット支援手術を導入しており、最先端の医療設備を整えています。症例では、緊急に対応が求められる急性胆のう炎、胆石症や消化管出血などに、内視鏡的胆道ステント留置術、腹腔鏡下胆のう摘出術や内視鏡的消化管止血術を多く行っています。
結腸をはじめ悪性腫瘍に対してはガイドラインに基づき、化学療法(抗がん剤)や鏡視下手術を含めた集学的な治療をおこなっています。病院移転後、ロボット支援手術を導入して手術の充実を図っています。
良性疾患(胆石症、虫垂炎、ヘルニアなど)に対しては、積極的に鏡視下手術を導入し、低侵襲で負担の少ない治療を提供しています。鼠径ヘルニアについては従来法と鏡視下手術(TAPP,TEP)の療法を使用し、患者さんの病態に合わせた最適な治療を行っています。術前は歯科と連携をとり周術期口腔機能管理を行い、術後は早期からリハビリテーションを開始し早期離床にとりくんでいます。
高齢者、全身状態不良者の症例が多く、治療方針を十分に検討し、安心・安全、低侵襲な手術、医療を行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) etc. 77 3.52 28.38 55.84% 85.91
K0811 人工骨頭挿入術(股) 48 3.98 24.92 66.67% 81.75
K0821 人工関節置換術(膝) etc. 35 2.11 33.11 20.00% 73.69
K196-6 末梢神経ラジオ波焼灼療法(一連として) 31 0.45 1.23 0.00% 75.55
K0462 骨折観血的手術(前腕) etc. 13 4.69 19.08 30.77% 71.85
整形外科の手術症例は、令和6年12月21日の病院移転後の手術件数が前年比1.7倍と大幅に増加しています。地域の高齢化を反映し、大腿骨近位部骨折などの緊急手術が多くなっています。
膝関節の手術においては、人工関節(TKA,UKA)、骨切り、関節鏡視した手術(靭帯再建、半月板修復など)によって、患者さん一人一人に合わせた適応を図り、患者さんの生活の質(QOL)の向上を目指しています。特に早期リハビリテーションの導入や術後疼痛管理の改善に注力し、術後回復期間の短縮を図っています。変形性膝関節症に対しては、保存的治療と手術療法の中間に位置づけられる治療法として、末梢神経ラジオ波焼灼療法(クーリーフ)を導入し、患者さんの治療選択肢を拡大しています。足の手術に関しても、足部変形や外傷、神経障害に対する専門的な治療を提供しています。
今後も新しい技術や治療法の採用に積極的に取り組み、最新の手術手技や器具やインプラント、ナビゲーションシステムなどの先進医療技術を活用して、手術精度の向上と患者負担の軽減を図っていきます。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 etc. 66 0.52 15.76 19.70% 79.33
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 11 3.36 24.73 36.36% 64.73
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) - - - - -
脳神経外科では、慢性硬膜下血種に対する血種穿孔洗浄術、頭蓋内腫瘍摘出術、水頭症に対するシャント手術、未破裂脳動脈に対する脳動脈瘤頸部クリッピング術などの手術を多く行っています。
その他にも、微小血管減圧術、動脈形成術・吻合術、経鼻的下垂体腫瘍摘出術などの比較的専門性の高い手術にも幅広く対応しています。
令和6年より脳血管内治療学会専門医が着任し、血栓回収術が行えるようになりました。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 84 0.01 1.02 0.00% 67.86
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 82 0.42 5.87 12.20% 77.35
K6145 血管移植術、バイパス移植術(下腿、足部動脈) 17 5.24 42.77 5.88% 67.35
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 16 1.94 20.88 6.25% 74.69
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 14 1.14 11.21 7.14% 80.79
血管外科は、下記の静脈瘤および閉塞性動脈疾患、腹部大動脈瘤の手術を専門に行っています。急性動脈閉塞に対する血栓溶解剤(ウロキナーゼ)の販売停止に伴い、血栓吸引デバイスを導入し、新しい治療が始まっています。腹部大動脈手術では、皮膚切開を必要としない、経皮穿刺での血管内治療(ステントグラフト内挿術)が主流となっています。動脈閉塞疾患では、血管内治療での治療困難症例が増加し、積極的に末梢動脈バイパスを行っています。新病院では、血管造影ができるハイブリッド手術室を完備し、カテーテル治療とバイパス手術を組み合わせた低侵襲かつ信頼性の高い治療が可能となっています。下肢静脈瘤では、1泊2日での血管内焼灼術(レーザー治療)や日帰りでの血管内塞栓術(グルー治療)を行っています。慢性腎不全に対する血液透析治療を円滑に維持していくためには、シャントと呼ばれる、血液を体外に出し入れするための血管(バスキュラーアクセス)が重要です。透析血流量の低下を認めた場合には、バルーンカテーテルを用いた狭窄血管の拡張(シャントPTA)などの治療が必要になります。また、シャント血管の瘤化や感染を認めた場合には、外科的修復術が必要になります。バスキュラーアクセスのトラブルは腎臓内科と連携体制が整っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 118 0.29 1.46 1.69% 75.48
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 51 0.71 3.71 0.00% 69.88
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 15 0.60 2.40 6.67% 73.60
K2686 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) - - - - -
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) - - - - -
眼科手術では、全体の約85%を白内障の手術が占めています。手術は月曜日と火曜日に行っています。高齢患者さんが多く、全身合併症や眼合併症のある患者さんが多く、片眼1泊2日の入院を基本としていますが、外来手術(日帰り手術)も行っています。また、両眼を2泊3日入院ですることもできます。白内障の手術のほか、網膜剥離や黄斑円孔、黄斑上膜などに対しての硝子体手術を入院で行っています。加齢黄斑変性に対する硝子体注射も約80例行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 41 1.54 9.39 0.00% 78.88
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 34 1.15 5.03 8.82% 67.29
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 25 3.32 9.24 16.00% 72.68
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 21 2.29 7.86 4.76% 75.05
K783-3 経尿道的尿管ステント抜去術 - - - - -
膀胱がんで行う経尿道的(TURBT)は、アミノレブリン酸塩による光線力学診断補助下で行っています。
前立腺がんに対しては、Da Vinci(ダビンチ)でのロボット支援前立腺全摘除術が可能となりました。腎がん、腎盂がん、尿管がんに対しては従来通り、腹腔鏡を用いて手術を行っています。
前立腺肥大症に対しては、経尿道的前立腺蒸酸術(CVP)を行っています。CVPは以前行っていた切除術と比較して出血が少なく、カテーテル留置が短くなるため、入院期間も短縮できるようになりました。
尿管結石は経尿道的砕石術(TUL)のほか、外来での日帰り手術として体外衝撃波砕石術(ESWL)を行っています。ESWL機器は、2025年より新しく”Piezolith 3000 teiple focusを”を導入しました。
前立腺癌の診断に必要な前立腺生検は、主に局所麻酔(仙骨麻酔)で行いますが、希望される方には全身麻酔下で行うことも可能です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 20 0.45%
180010 敗血症 同一 15 0.33%
異なる 14 0.31%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 16 0.36%
異なる - -
※入院の契機となった傷病名と医療資源を最も投入した傷病名の「同一性」の有無を区別して、4疾患について各症例数と発生率を掲載しています。
※「同一」は入院時にすでに発症・判明していること、「異なる」は入院後に発症・判明したことを意味します。
※症例数が10未満の場合は、(ー)ハイフンで掲載しています

当院は、高齢者の急性期の救急搬送を多く受け入れており、各種検査後に播種性血管内凝固症候群、肺血症や真菌感染症などが判明することが多くあります。また、急性期病院では一定程度の割合で、播種性血管内凝固症候群、肺血症や真菌感染症などは発生し得るものですが、患者さん個々人に最適な治療を行っています。播種性血管内凝固症候群、肺血症や真菌感染症などの重篤な疾患はハイケアユニット(HCU)などで受け入れて集中的な管理をしており、地域医療の基幹病院としての役割をはたしています。手術処置の合併症は、透析導入のシャント術後の狭窄や閉塞した場合などが挙げられます。
一定頻度の発生はありますが、平均的と考えられ、患者さん個々人に最適な治療を行っています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
465 384 82.58%
※計算式:(分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数 / 肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を 施行した退院患者数)×100
我が国では発生頻度が比較的少なかった肺血栓塞栓症は、近年、食事や生活習慣の欧米化に伴い増加してきており、本邦でもその予防が重要性を増しています。しかも一旦、肺血栓塞栓症を発症すると、重症の場合、生命を脅かす危険な疾患です。特に、術後については一定期間一定の体位で手術を行うため、その予防をすることがもとめられています。
そこで、その危険性を低・中・高・最高リスクに分け、中以上のリスク群に対しては予防策をとるようになっています。
当院では、「肺血栓塞栓症のリスクレベル評価票」で患者さんのリスクレベルを評価し、適切な予防法を実施して、肺血栓塞栓症の予防に取り組んでいます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
750 684 91.20%
※計算式:(血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数 / 血液培養オーダー日数)×100

血液内に病原菌が侵入すると、菌血症や肺血症などの重篤な感染症を発症します。
感染症の原因菌を突き止め、適切な抗菌薬治療を行うために、血液培養検査が実施されます。
菌血症等は一般的に間欠的であり、常時血液内にくまなく存在するわけではないため、1セット採血だと見逃す可能性があります。
コンタミネーション(原因菌でない菌の汚染)を防ぐためにも2か所2セットほうが推奨されています。血液培養2セット実施率が高いほうが良い数字です。当院は感染対策チーム(ICT),と抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が院内ラウンドを行い、感染対策および抗菌薬適正使用に関する支援を行っています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
643 588 91.45%
※計算式:(分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数 / 広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数)×100

広域スベクトル抗菌剤(広い範囲の菌に効果がある抗菌薬)の乱用は、本抗菌薬の耐性(細菌やウイルスが薬に対して抵抗力をもつようになり、薬が効かなくなること。)を高めることになります。すなわち、本抗生物質が効かない細菌が出現してくるため、乱用を防ぐことが重要です。したがって、最初の抗生物質は本剤でも構いませんが、その薬剤投与前に、起炎菌(感染症を起こす原因ちなった菌のこと)の同定と抗生物質の感受性検査をしておくことが重要です。したがって、本使用率は100%に近いほうが良い数字です。
当院は感染対策チーム(ICT)と抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が院内ラウンドを行い、感染対策および抗菌薬適正使用に関する支援を行っています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
83.376 366 4.30%
※計算式:(退院患者に発生した転倒・転落件数 / 退院患者の在院日数の総和)×100

入院中の転倒やベッドからの転落は、環境の変化、疾患、治療・手術による身体的な影響など、さまざまな要因によって引き起こされます。
当院では入院するすべての患者さんに対し、転倒・転落のリスク評価を入院時に行い、転倒・転落防止に努めています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
83.376 12 0.14%
※計算式:(退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数 / 退院患者の在院日数の総和)×100

患者影響度3b以上とは、骨折や手術など、集中的な処置や治療を要するケースを指します。これらの事例を可能な限り減らすため、継続的な改善に取り組んでいます。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
976 976 100%
※計算式:(分母のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数 / 全身麻酔手術で、予防的抗菌薬 投与が実施された手術件数)×100

予防的抗菌薬投与のタイミングは、感染制御の効果に大きな影響を及ぼし、手術開始1時間以内の投与が推奨されます。
今後もモニタリングを継続して医療関連感染の予防と手術成績向上に努めます。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
83.215 60 0.07%
※計算式:(褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥創)の発生患者数 / 退院患者の在院日数の総和)×100

当院では褥創(床ずれ)の予防や早期発見に力を入れております。日々のケアを一つ一つ丁寧に積み重ね、患者さんが安心して療養できる環境づくりに努めています。
これからもスタッフ一同、より良い医療とケアの提供に取り組んでまいります。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
3.639 3.636 100%
※計算式:(分母のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数 / 65歳以上の退院患者数)×100

栄養アセスメントとは身体状況、食事摂取状況、血液検査データを考慮し、栄養状態を評価します。
早期に介入を行うことで、低栄養予防に努めます。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
71.696 16 0.02%
※計算式:(分母のうち、身体的拘束日数の総和 / 退院患者の在院日数の総和)×100

当院では、認知症の進行予防や寝たきりの防止を目的とした取組を行っています。その一環として、身体的拘束ゼロを目指し、身体的拘束の最小化に力を入れています。患者さんの尊厳を守り、活動性を維持することを重視し、可能な限り身体的拘束を避けるよう、職員一同一丸となって取り組んでいます。
更新履歴
2025.09.29